「終活」との一環として身辺整理を考えるケースもあるかと思いますが、終活とは、そもそも一体何のために行うもので、何をすべきものなのでしょうか?
その前に「身辺整理」とは・・・
身の回りの片づけをすること。特に、借金を返済したり、資産を売却したりして、自分の周囲の人たちを煩わせないようにすること(大辞林 第三版)。
とあります。
そして、今一度「終活」という言葉を考えてみたいと思いますが、元々終活とは、人生の終わりの時期を迎えるにあたり葬儀や墓を準備することで、人生の終わりの時期の活動のこととされていました。 それが小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)によると、終活ということばが定着するにつれ、医療や介護についての要望、身辺整理、遺言、相続の準備なども含まれるようになった、とあります。
また、これも日本大百科全書(ニッポニカ)からの引用ですが、「終活」のブームともいえるような広がりの背景には、以下の4つのようなことが指摘されています。
- 2012年(平成24)4月には65歳以上の人口が3000万人を超えて本格的な高齢化社会を迎えた
- 配偶者や家族をもたない高齢者が多くなった
- 家族の絆(きずな)が弱まって独居老人、孤立死が増えた
- 東日本大震災でみられたように年齢を問わずだれにも「不慮の死」は訪れうるということが広く再認識された
こういったことから、将来自分が高齢となったときのことを考えて「出来る今のうちに」身辺整理を考える方が増えていると推察出来ます。 ヒーリングでは2016年10月から終活&散骨セミナーを開催していますが、お越しになった方や終活に興味をお持ちの高齢の方々から「体が動く今のうちに『終活』をしたいと思っている」というお声を頂戴しています。
身辺整理という言葉は中々強く感じる方もいらっしゃいますが、上に挙げているように、「自分の周囲の人たちを煩わせないようにすること」が身辺整理する目的だと言っても良いでしょう。 事故・事件・災害など・・・人生いつ何が起きるか分かりません。 本人が動けなくなったら動くのは周りの人なのです。
身辺整理に必要な17の項目
身辺整理とは何も死ぬための準備なのではなく、これだけのことを可視化しておくことで、自分も安心できるし、周りの人も動きやすくなります。 全てが全員に当てはまるものではありませんが、一般的に身辺整理として必要な項目をリストアップしました。
(「ら・し・さノート」と、こちらhttp://bit.ly/shinpenseiri から引用・抜粋)
- 携帯電話の契約会社名(解約は原則本人が窓口で行う必要があります)
- インターネットプロバイダ
- 預金通帳、印鑑、キャッシュカードの保管場所、ネットバンクログイン方法と口座番号・ID・パスワード
- 取引のある証券会社名、所有している株や投信などの資産状況
- 所有している不動産の概要(登記簿謄本に記載されている内容)
- その他資産(貴金属や書画・骨董など)と、万一のときに誰に譲りたいか
- 公共料金やその他の口座引き落とし情報
- クレジットカードと利用状況(残額、引き落とし日、引き落とし口座等)
- その他のローン、借入金の状況(金額、支払日、支払方法、契約先など)
- 契約している保険の内容と保険会社の連絡先
- 年金番号と社会保険事務所の連絡先
- 健康保険証・介護保険の番号
- 過去の病歴 (いつ頃、どんな病気をしたか)
- 延命治療の要望の有無
- 臓器提供や検体の希望の有無
- 掛かりつけ医の連絡先
- 飲んでいる薬の情報(お薬手帳が便利です)
万一のことがあったときに備えて準備したい6つのこと
- 事前に契約している葬儀社があればその連絡先と担当者名
- 遺影写真のデータ (遺影写真でもめることも。デジタル化、もしくは事前に写真館でデータ保管してもらえるかの確認がお勧めです)
- 知らせて欲しい人のリスト
(これがあると葬儀のときに遺族が楽です) - 棺桶の中に入れて欲しいもの
- 希望する葬儀の規模と内容、一般的な葬儀なのか家族葬なのか、掛けて欲しい音楽や伝えたいメッセージなど
- 家紋や宗派
デジタル遺品のこと、考えてみませんか?
また、「デジタル遺品」という言葉が最近聞かれるようになりましたが、本人が管理できなくなるとオンライン上では様々なトラブルが発生するケースが出てきます。
SNSやブログなどはアカウントの乗っ取りであったり、オンラインゲームやネットオークション等では利用代金の未払いが発生したり、「モノ」として可視化出来ないこれらのものは一層の注意が必要です。 とはいえ、家族にも知られたくない中身もあるのがデジタルの世界です。
また、「亡くなると、目に見えるリアルな物や事でも遺族は処理や整理をするのが大変ですが、インターネット上のバーチャルの物を把握し処理をしなくてはならない遺族は非常に困難な問題に苦しむ事になります。」ということで、デジタル遺品処理のサービスを提供されている企業もあります。リンク先は、株式会社
WishLane様で提供されているサービスです。 http://bit.ly/digitalihin
何度も繰り返しとなりますが、身辺整理は「自分の周囲の人たちを煩わせないようにすること」です。 ご自身で判断がつくうちに(若い人でも急病や事故など、自分で判断を下せない状況は起こり得ます)、デジタルなモノゴトも処理方法について検討し行動しておくことで、自分も周囲の人も安心できるに違いありません。
まとめ
- 終活の一環としての身辺整理は、自分で判断して行動できるうちに取り掛かりましょう。
- 万一のことがあれば、動くのは本人ではなく周りの人になります。
- 身辺整理をしておくことで時間と手間を出来る限り省くことにも繋がります。
- 生死に関係なく必要な17の項目と亡くなったときに必要な6つの項目
- デジタル遺品の処理方法も「今のうちに」知って、何をすべきか準備をしておくことをおすすめします。
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